生理人類学研究室(山崎 和彦 教授)
研究室およびゼミの紹介
モノを創るとき、新たに事を始めるとき、試行錯誤は必然といえます。つまり容易に妥協せず、あらゆる方向から検討する姿勢が重要です。当ゼミでは、モノのデザインや設計に際し、特に「人類の進化と適応の観点から多面的に検討する」ことを目指しています。
モノ創りにおいて直感は重要です。さらに実験を通じて有効性を検証することが望ましく、そうした手法のひとつが PAデザイン(PA は生理人類学physiological anthropologyの略)です。試行する内に人類の本質に適合しないことに気づいたら、デザイン課題そのものを否定してよいのです。
当ゼミでは、よい暮らしそして幸せとはいかなるものか、何が利口で何が阿呆か、何が美しく何が見苦しいか、もともと人類はどうであるのか、といった観点から討論や研究を行っています。温熱生理学系の研究設備は充実しているといえます。
<2022年度卒業研究>
?1クロの衣服着用時の温冷感について
?暗順応下における視力の評価
?寝息とイビキに関する調査研究
?コロナ禍における日本とカナダの比較
?身体のマッサージに関する調査研究
?目元のおしゃれに関する人類学的研究
?録音技術に関する研究
学生によるゼミ紹介
私の充実した時間、それは山崎先生が淹れて下さった珈琲をゼミ室で飲みながら、人生について語りあう時です。入学前の私は、このような優雅なひとときを過ごせるなんて考えもしませんでした。
昨年、私は「生理人類士準一級」資格を取得しました。生理人類学とは人類学をベースとし、生理学的手法により、暮らし全般について考える学問です。私は心拍変動性について研究しています。先日、人工気候室を使用し、極寒および酷暑下での交感神経系活動の評価を試みました。しかし予想していた結果が得られず、みんなで「参った参った」と笑いながら試行錯誤を続けています。
日野キャンパスにいらしたら、ぜひ本館3階東端を訪ねてみてください。